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 20171110日発行】

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        ■ 人事労務マガジン/11月号

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【今号の内容】

「過重労働解消キャンペーン」が11月に実施されます!

年末調整:配偶者控除と平成30年改正の要点

ハラスメント防止研修用資料が公開されました

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今年も「過重労働解消キャンペーン」が11月に実施されます!

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昨年に引続き、各労基署による「過重労働解消キャンペーン」が11月に実施されます!

 ◆「過重労働解消キャンペーン」とは?

長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっている中、厚生労働省では「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施し、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組みを推進するため、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知・啓発等の取組みを集中的に行うそうです。

実施期間は111日~30日となっています。

 ◆主な実施内容

(1)労使の主体的な取組の促進

使用者団体や労働組合に対し、長時間労働削減に向けた取組みに関する周知・啓発等について、厚生労働大臣名による協力要請が行われ、労使の主体的な取組みが促されます。また、都道府県労働局においても同様の取組みが行われます。

(2)労働局長によるベストプラクティス企業への職場訪問

都道府県労働局長が長時間労働削減に向けた積極的な取組みを行っている「ベストプラクティス企業」を訪問し、取組事例をホームページなどで地域に紹介します。

(3)過重労働が行われている事業場などへの重点監督

<監督の対象となる事業場等>

・長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等

・労働基準監督署およびハローワークに寄せられた相談等から、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等

<重点的に確認される事項>

・時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(いわゆる36協定)の範囲内であるか(法違反が認められた場合は是正指導)

・賃金不払残業が行われていないか(法違反が認められた場合は是正指導)

・不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導

・長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導

<書類送検>

・重大・悪質な違反が確認された場合は、送検、公表

(4)電話相談の実施

都道府県労働局の担当者による、フリーダイヤルでの相談、助言、指導が行われます。

(5)キャンペーンの趣旨などについて周知・啓発

(6)過重労働解消のためのセミナー開催

全国で合計66 回、「過重労働解消のためのセミナー」が開催されます(参加無料)。



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 年末調整:配偶者控除と平成30年改正の要点

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1. 配偶者控除と配偶者特別控除の取り扱いは、平成301月の給与から変わります!

平成29年度の税制改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが変更されました。 この法改正の内容が適用されるのは、早くも平成30年の1月の給与からとなります。 今回の年末調整にも大きく関わってきますので、混乱しないように1つ1つ確 認していきましょう。


 そもそも配偶者控除ってなに?



配偶者控除と配偶者特別控除とは、配偶者を扶養している給与所得者に関して、配偶者を扶養していない給与所得者よりも税負担を軽くする制度のことを言います。ただし、配偶者がいれば誰でも控除を受けられるというわけではなく、配偶者に一定の所得がある場合には、配偶者控除と配偶者特別控除は受けられないとされていたのです。所得の基準は以下のようになります。



 配偶者控除:年間所得38万未満
  配偶者特別控除:年間所得38万円以上、76万円未満

さて、所得にも様々な種類がありますが、最も一般的なものはやはり給与所得でしょう。


給与所得の場合には給与による収入から一般的には65万円を引いた額が控除の有無の基準とされます。つまり、103万円-65万円=38万円ということで、給与所得では103万円までが配偶者控除の対象とされていたのです。いわゆる103万円の壁」というものです。つまり、

給与所得者(本人)

年間給与所得100万円の配偶者

という世帯の場合、給与所得100万円から必要経費65万円を差し引いた35万円が年間所得の額となり、年間所得上限38万円に満たないので配偶者控除を受けることができるということになります。



配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?

 しかし、専業主婦など配偶者に収入がないことがほとんどだった昔に比べて、パートなどで働く配偶者が徐々に増えていきました。  年間収入103万円ということは12ヶ月で割れば月85千円程。パート収入でも超えてしまうケースが少なくありません。 その結果、配偶者が104万円稼ぐと配偶者控除がゼロになってしまい、103万円までに抑えた家庭よりも世帯収入が下がってしまうという、働き損の状態が発生してしまいました。  この不釣合いを解消するためにうまれたのが配偶者特別控除になります。確かに配偶者の年間所得が38万円まででなければ配偶者控除は受けられません。  しかし、1万円でも上限を超えればいきなり控除をゼロとするというのではなく、年間所得76万円までは段階を踏んで控除額を下げていくことで、不釣り合いを緩和するという対応がとられました。この控除額ゼロになるまでの段階的措置が配偶者特別控除なのです。配偶者控除は受けられないとしても、年間所得76万円までなら配偶者特別控除を受けられるということですね。しかも、今回の法改正によって、配偶者特別控除の幅は下 の画像のように広がり、控除を受けられる金額も増加したのです。

 

 (因みにこの図の縦の38万円は、配偶者控除における実際の控除額になります。最大で38万円の控除が受けられるということです。)では、今回の法改正は控除を受けられる世帯の幅を広げるためのものなのか?というと、そうとも言い切れない事情があります。 今までは勘案されなかった、給与所得者の所得に制限が課されるようになったからです。

2.  本人の所得が多いと配偶者の所得がゼロでも控除対象外に?

 本改正では具体的には以下のような変化が見られました。

1.    配偶者特別控除の控除額の改正

 改正前は配偶者の年間所得は38万円までが配偶者控除の、38万円以上76万円未満が配偶者特別控除の対象とされていました。  しかし本改正に伴い、配偶者控除は変わらず38万円まで、配偶者特別控除は38万円以上123万円未満と大きく幅をきかせることとなりました。年間所得123万円ということは給与収入なら2016千円となり、月に168千円程度まで配偶者が働いても控除を受けることができるようになったのです。一方、今回の法改正によって今まで配偶者控除を受けていた人が受けられなくなるケースも生まれてしまいました。

配偶者控除の控除額の改正

 今回の法改正により、給与所得者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者の所得の多寡に関わらず、配偶者控除の適用を受けることができないこととされました。改正前は給与所得者の合計所得金額に制限がなかったことを考えると、今まで配偶者控除を受けられていた世帯が控除を受けられなくなるという状況が考えられます。なお、こちらも1,000万円以上で控除額ゼロとなる前段階として、900万円を超えてから段階的に受けられる控除額が減っていくという制度になります。

 

 配偶者特別控除は配偶者控除とは異なり、改正前から給与所得者の年間所得金額が1,000万円以下という所得制限がありました。しかし、給与所得者の年間所得金額が990万円であろうが900万円であろうが控除額は変わらなかった改正前に対し、今回の改正によって、給与所得者に900万円以上の給与所得がある場合は控除額が大きく減ってしまうということになりました。

3. 扶養親族等の数の算定方法の変更

 徴収税額は控除対象となる扶養配偶者の有無や扶養親族の数に応じて決定されます。 もちろん、扶養する人数が多い方が徴収税額は安くなります。この人数をまとめて扶養親族等の数と言います。扶養親族の人数として、従来では16歳以上合計年間所得金額が38万円以下であることが要件となっていました。つまり、
 
年間取得600万円の給与所得者(本人)
 
年間所得38万円以下の配偶者

 
年間所得38万円以下の17歳の息子
 
収入のない14歳の娘
 
という家族構成であった場合、扶養親族等の人数は2配偶者と17歳の息子が該当)となります。
 
因みに16歳未満の子どもは扶養親族等の数には数えられませんが、児童手当の対象となりますので申告が必要です。



 配偶者控除対象者であっても源泉控除対象者とは限らない?

 今回の法改正によって、①同一生計配偶者②控除対象配偶者③配偶者特別控除の配偶者④源泉控除対象配偶者という4つの区分が生まれました。  それぞれ簡単にご説明したいと思います。

 同一生計配偶者

 配偶者の年間所得が38万円以下である場合に該当。給与所得者の所得制限はありませんので、従来の控除対象配偶者がこれに当たります。

控除対象配偶者

配偶者の年間所得が38万円以下、かつ給与所得者の年間所得が1,000万円以下の場合に該当。 今回の法改正で配偶者控除に給与所得者の所得制限がついた部分ですね。

 配偶者特別控除の対象者

 配偶者の年間所得が38万円以上123万円以下、かつ給与所得者の年間所得が1,000万円以下の場合に該当。 先述の階段部分の配偶者特別控除の対象者になります。

源泉控除対象配偶者

 配偶者の年間所得が85万円以下、かつ給与所得者の年間所得が900万円以下の場合に該当。扶養親族等の数の算定に当たり、配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することになります。

つまり、
 
年間所得800万円の給与所得者(本人)
 
年間所得60万円の配偶者

 
このような世帯があった場合の配偶者は、配偶者特別控除の対象者と源泉控除対象配偶者の両方に該当します。この場合、配偶者の年間所得が38万円以下なら配偶者控除の対象者と源泉控除対象配偶者に当たります。  配偶者の年間所得が85万円以上123万円以下なら、源泉控除対象配偶者には当たらず配偶者特別控除のみに該当し、123万円を超えるとどれにも当たらないということになります。

配偶者控除対象者と源泉控除対象配偶者のちがい?

 配偶者控除対象者と源泉控除対象配偶者の違い、ややこしいですよね。 こちらを詳しくご説明する前に、 扶養親族と扶養配偶者の違いについて少しご説明したいと思います。 今までは一様に控除対象配偶者か否かで区別されていた配偶者が、今回の法改正で4つの区分にわかれたことは先述のとおりです。その結果、今までは控除対象配偶者= 源泉対象配偶者であったものが、控除対象配偶者でありながら源泉控除対象配偶者ではないという状況が生まれたのです。 これは端的に言えば年末調整の控除対象者でありながら、月々の給与の控除対象ではないという状況と考えられます。実務で従業員の扶養について取り扱う際には、給与所得者の制限よりもまずは配偶者の給与所得に注目した方が着地点を見つけられそうですね。今回は大きな枠組みのみをご説明いたしましたが、 扶養控除はこれ以外にも様々な要件によって決められております。 より詳しく知りたい方は国税庁のホームページリーフレットも是非ご一読ください。


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厚生労働省からハラスメント防止研修用資料が公開されました

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セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントと、最近は職場のハラスメントに対する意識が高まっており、社内でのハラスメント研修を実施する企業も増えています。 研修の内容は、管理職を対象としたものの他、一般の従業員に対しても、どのような行為がハラスメントなのか、そして、ハラスメントを受けた場合には、どのような対応をすべきなのかを伝える場としての研修も多く実施されています。 今回、厚生労働省から「職場でのハラスメントの防止に向けて」という社内研修資料が公開されました。内容はセクシュアルハラスメントおよび妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆるマタニティハラスメント)が中心となっていますが、セルフチェックができる10項目も盛り込まれており、自社の内容を盛り込んで活用できるものとなっています。

 

パワーポイントでのダウンコートが可能ですので、研修を実施されている方はぜひ、ご活用してください。

 

ダウンロードはこちらから

 

http://www.mhlw.go.jp//file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000181908.pptx

 

以上。                   

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 この際、「社会保険・労働保険・給与計算・年末調整・マイナンバー」の事務・コンサルティングは、新保社会保険労務士事務所に任せませんか?

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