2019212日発行】

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        人事労務マガジン/2月号
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【今号の内容】

20194月より、年次有給休暇の確実な取得が必要になります!

同一労働同一賃金のガイドライン

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年次有給休暇改正に伴う注意点

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 法改正により、201941日から、使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与えることが必要です。

Point1.管理台帳が必要(今回は、一つの管理台帳を送付します。また、現在契約頂いている会社様には別途、他の台帳も提供させて頂きます。)

Point2.就業規則の変更が必要

になります。

1.管理台帳

 今回、使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与えた記録を3年間管理しなければなりません。

2.就業規則の変更

 休暇に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法について、就業規則に記載しなければなりません。

(記載例)現在の貴社の就業規則によりますが、

「第1項の年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、第2項の規定にかかわらず、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時期を指定して取得させる。ただし、労働者が第2項の規定による年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。」

 

Point3.想定される課題として、

人ごとに入社日が異なる会社では、基準日が人ごとに異なり、誰がいつまでに年次有給休暇を5日取得しなければならないのか、細やかな管理が必要になります。

 

方法1.一斉付与日を設ける。例えば、1/14/1に年次有給休暇を一斉付与することで統一的に管理することが可能です。

方法2.基準日を月初などに統一する。入社が月の途中であっても、基準日を月初などに統一します。例えば、同じ月に採用した方の基準日を月初に統一することにより、統一的な管理ができます。

このどちらの方法をとる場合は、その旨を就業規則に記載しなければなりません。

Point4.罰則

今回、下記の通り、法令違反した場合には罰則が科されることがあります。

労働基準法第39条第7項 年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合:30万円以下の罰金

労働基準法第89条    使用者による時季指定を行う場合において、就業規則に記載していない場合:30万円以下の罰金

労働基準法第39条(第7項を除く) 労働者の請求する時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

*罰則による違反は、対象となる労働者1人につき1罪として扱われますが、労基署は原則として是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。

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同一労働同一賃金のガイドライン

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本ガイドラインは、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものです。

 同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示しています。

 この際、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例を付しています。

 不合理な待遇差の解消に向けては、賃金のみならず、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であるため、これらの待遇についても記載しています。

 本ガイドラインについては、関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえ、労働政策審議会における議論を経て、最終的に確定されたものです。以上。