事務所だより

2017年6月事務所だより

20170611

 2017611日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/6月号
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【今号の内容】

「生産性向上要件」で受給額アップ!!

時間外労働の上限規制導入に向けた法改正を建議

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「生産性向上要件」で受給額アップ!!とは?

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雇用関係助成金における「生産性向上要件」で受給額アップ!!とは?

今年度は、新しい試みである生産性要件が加わったことにより、一部助成金において「生産性要件」を満たした場合に、助成の割増を受けられることになりました。ただし、助成金申請については、これまでより複雑化し、不確定要素も増したため、より慎重に行う必要があります。

生産性要件:労働関係助成金は、助成金を申請する事業所が、次の方法で計算した「生産性要件」を満たしている場合に、助成の割増を行います。

  1. 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
    ・その3年前に比べて6%以上伸びていること

    または

     ・その3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること(

   ()この場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること

 

  2. 「生産性」は次の計算式によって計算します。

       
                 
 営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課

生産性=

                      雇用保険被保険者数

 生産性の伸び率が6%を満たしていない場合でも別に定める要件(「事業性評価」)に合致する場合には生産性要件を満たすことができるようになりました。

           

金融機関から一定の「事業性評価」を得ていることとは?:

  「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。



 つまり労働局長に「生産性向上を期待できる企業」という太鼓判を押してもらう必要があります。



 「事業性評価」を得るためには「与信取引等に関する情報提供に係る承諾書(共通要領 様式第3号)という書類を助成金支給申請のときに提出しなければなりません。



 また、審査結果(事業性評価が得られなかった場合でも)にかかわらず、意見照会先に対し、その回答の開示や説明を求めることはできません。



なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要になります。

   


    3.生産性の計算式の「雇用保険被保険者数」は会計年度の末日または3月末現在の人数のどちらかになります。また、3年前の人数を把握するためには、ハローワークで「事業所別被保険者台帳交付申請書」を作成し、交付してもらってください。

 

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時間外労働の上限規制導入に向けた法改正を建議

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時間外労働の上限規制導入に向けた法改正を建議



…労働政策審議会は5日、労働条件分科会が同日取りまとめた報告に基づき、時間外労働の上限規制導入などの法改正について以下の点を厚生労働大臣に建議を行いました。

  ※「建議」とは審議会から厚生労働大臣または関係行政機関に意見を述べることです。

 

1. 時間外労働の上限規制 時間外労働の上限規制については、以下の法制度の整備を行うことが適当である。
 
(
) 上限規制の基本的枠組み

現行の時間外限度基準告示を法律に格上げし、罰則による強制力を持たせるととも に、従来、上限無く時間外労働が可能となっていた臨時的な特別の事情がある場合と して労使が合意した場合であっても、上回ることのできない上限を設定することが適当である。

 

時間外労働の上限規制は、現行の時間外限度基準告示のとおり、労働基準法に規 定する法定労働時間を超える時間に対して適用されるものとし、上限は原則として 45 時間、かつ、年 360 時間とすることが適当である。かつ、この上限に対する違 反には、以下の特例の場合を除いて罰則を課すことが適当である。また、一年単位 の変形労働時間制(3か月を超える期間を対象期間として定める場合に限る。以下 同じ。)にあっては、あらかじめ業務の繁閑を見込んで労働時間を配分することによ り、突発的なものを除き恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度の趣旨に 鑑み、上限は原則として月 42 時間、かつ、年 320 時間とすることが適当である。

 

上記を原則としつつ、特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使 が合意して労使協定を結ぶ場合においても上回ることができない時間外労働時間を 720 時間と規定することが適当である。   かつ、年 720 時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低 限、上回ることのできない上限として、

  休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で 80 時間以内 

 ② 休日労働を含み、単月で 100 時間未満

  原則である月 45 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は 42 時間)の時間外 労働を上回る回数は、年6回まで  とすることが適当である。

 

なお、原則である月 45 時間の上限には休日労働を含まな いことから、及びについては、特例を活用しない月においても適用されるもの とすることが適当である。

 

現行の 36 協定は、省令により「1日」及び「1日を超える一定の期間」についての延長時間が必要的記載事項とされ、「1日を超える一定の期間」は時間外限度基準 告示で「1日を超え3か月以内の期間及び1年間」としなければならないと定めら れている。今回、月 45 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は 42 時間)、かつ、 360 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は 320 時間)の原則的上限を法定する趣旨を踏まえ、「1日を超える一定の期間」は「1か月及び1年間」に限ることと し、その旨省令に規定することが適当である。併せて、省令で定める協定の様式に おいて1年間の上限を適用する期間の起算点を明確化することが適当である。
 

 

 () 現行の適用除外等の取扱い

現行の時間外限度基準告示では自動車の運転の業務、工作物の建設等の事業、 新技術、新商品等の研究開発の業務、季節的要因等により事業活動若しくは業務 量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とさ れる業務として厚生労働省労働基準局長が指定するもの、が適用除外とされている。 これらの事業・業務については、健康確保に十分配慮しながら、働く人の視点に立って働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて、以下のとおりの取 扱いとすることが適当である。
 
自動車の運転業務

自動車の運転業務については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960 時間以内の規制を適用することとし、 かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることが適当である。また、 5年後の施行に向けて、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間の短縮策 を検討するなど、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進することが適当である。 この場合でも、時間外労働の上限は原則として月 45 時間、かつ、年 360 時間であることに鑑み、これに近づける努力が重要である。
 
建設事業

建設事業については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一 般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用することが適当であ る。ただし、復旧・復興の場合については、単月で 100 時間未満、2か月ないし6 か月の平均で 80 時間以内の条件は適用しないが、併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることが適当である。また、5年後の施行に向けて、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置するなど、必要な環境整備を進めるとと もに、労働時間の段階的な短縮に向けた取組を強力に推進することが適当である。

この場合でも、時間外労働の上限は原則として月 45 時間、かつ、年 360 時間であ ることに鑑み、これに近づける努力が重要である。
 
新技術、新商品等の研究開発の業務

新技術、新商品等の研究開発の業務については、専門的、科学的な知識、技術を 有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務の特殊性が存在する。このため、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、 その対象を明確化した上で適用除外とすることが適当である。

その際、当該業務に従事する労働者の健康確保措置として、1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1か月当たり 100 時間を超えた者に対 し、医師による面接指導の実施を労働安全衛生法上義務づけることが適当である。
 
この面接指導の確実な履行を確保する観点から、上記の義務違反に対しては罰則を課すことが適当である。   また、上記の面接指導の結果を踏まえた健康を保持するために必要な事後措置の 実施を労働安全衛生法上義務づけるとともに、当該事後措置の内容に代替休暇の付 与を位置づけることが適当である。
 
厚生労働省労働基準局長が指定する業務

季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又 は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省労働基準 局長が指定するものについては、原則として罰則付き上限規制の一般則を適用する ことが適当であるが、業務の特殊性から直ちに適用することが難しいものについて は、その猶予について更に検討することが適当である。
 
医師

医師については、時間外労働規制の対象とするが、医師法第 19 条第1項に基づく 応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である。具体的には、改正法の施行期日 の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、 質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得ることが適当である。
 

 
2.長時間労働に対する健康確保措置

過重な労働により脳・心臓疾患等の発症のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、労働者の健康管理を強化することが適当である。
 
(
) 医師による面接指導

このため、長時間労働に対する健康確保措置として、労働安全衛生法第 66 条の8 の面接指導について、現行では、1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合のその超えた時間が1か月当たり 100 時間を超えた者から申出があった場合に義務となっているが、この時間数を定めている省令を改正し、1か月当たり 80 時間超とすることが適当である。
 
(
)
労働時間の客観的な把握

また、上記の面接指導の適切な実施を図るため、 管理監督者を含む、すべての労働者を対象として、労働時間の把握について、客観的な方法その他適切な方法によ らなければならない旨を省令に規定することが適当である。その際、客観的な方法 その他適切な方法の具体的内容については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考に、通達において明確化することが適当である。
  
(
) 上限規制の履行確保の徹底 

・罰則付きの時間外労働の上限規制を導入するに当たっては、その実効性を一層確保する観点から、履行確保のための以下の事項についても、併せて措置することが適当 である。
 
過半数代表者

過半数代表者の選出をめぐる課題を踏まえ、「使用者の意向による選出」は手続違反に当たるなど通達の内容を労働基準法施行規則に規定することが適当である。また、監督指導等により通達の内容に沿った運用を徹底することが適当である。

使用者は、過半数代表者がその業務を円滑に遂行で きるよう必要な配慮を行わなければならない旨を、規則に規定する方向で検討する ことが適当である。

労働基準関係法令が十分周知されていないことに伴う法令違反が依然として多数 みられることから、時間外・休日労働には36協定の締結及び届出が必要であること や、協定の締結当事者である過半数代表者は法令等に基づき適正に選出される必要があること等について、一層の周知徹底に取り組むことが適当である。また、使用者は、36協定等を労働者に周知させなければならないとしている法の規定を踏まえ 対応するよう、徹底を図ることが適当である。
 

以上、今回の建議により、法改正が近々行われる見込みです。

 


 

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2017年5月事務所だより

 

20170511

 2017511日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/5月号 ■
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【今号の内容】

消費税軽減税率制度に対応するための補助金

平成29年度地方労働行政運営方針について

平成29年度中小企業向け税制改正(税額控除等)について

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消費税軽減税率制度に対応するための補助金

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 消費税軽減税率制度に対応するための補助金

複数税率対応レジの導入等支援

制度概要:複数税率に対応できるレジを新しく導入したり、対応できるように既存のレジを回収するときに使える補助金です。

【適用期間:平成30年131日まで】

補助率及び補助金上限額
次の各区分毎において補助対象経費に補助率を乗じた額となります。ただし、補助金上限額を上回ることはできません。
また、1事業者あたりの上限額は200万円となります。
(複数回申請する場合、あるいは、A型「複数税率対応レジの導入等支援」における異なる申請タイプで申請した場合を含む。)
なお、補助率を乗じた際に発生した小数点第1位以下の数値は切り捨てとなります。

1 レジ専用ソフトウェア等の導入費用も併せて申請する場合、その導入費用を導入するレジ数で除して、その1台あたりの費用も含めて、1台あたりの上限を算出してください。
2 累計2台以上導入して補助金申請を行った場合、1台目も含めて補助率は2/3となります。

1.レジ本体機器
レジ1台のみと付属機器等を導入した場合で、その合計額が3万円未満の場合補助率3/4(*2、レジを2台以上またはレジ1台のみと付属機器の合計額が3万円以上の場合2/3(1台あたり上限 20万円)

レジ付属機器等、レジ専用ソフトウェア等

2.設置に要する経費

補助率2/3、導入するレジの台数×20万円が上限

 

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平成29年度地方労働行政運営方針について

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厚生労働省から、本年の労働行政を行うにあたっての
平成29年度地方労働行政運営方針が発表されました。東京労働局はそれを受けて、運営方針を発表しました。今回は、東京労働局労働基準部の運営方針概要をご紹介します。東京以外の皆様におかれましては、地元の労働局の運営方針を今後確認していただければ幸いです。

労働基準担当部署における重点対策

1 )良質な労働環境の確保等

  雇用環境改善の推進

 過労死等の防止、女性の活躍促進、経済の好循環の実現等が求められている中、労働基準行政に求められる役割は変化しており、今後の労働基準行政においては、労働基準関係法令に基づく最低限の労働条件の確保に加え、より良い労働条件の実現に向けた行政運営を行う必要がある。このため、雇用環境・均等担当部署と連携しつつ、関係団体等の協力も得ながら労働条件の向上に向けた総合的な施策を推進する。

(ア)長時間労働の抑制・過重労働による健康障害防止に係る監督指導等

 長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害を防止するため、「『過労死等ゼロ』緊急対策」及び「過重労働による健康障害防止のための総合対策」に基づき、過重労働が行われているおそれがある事業場に対して、適正な労働時間管理、健康管理に関する窓口指導、監督指導等を徹底する。
 また、使用者、労働組合等の労使当事者が時間外労働協定を適正に締結するよう関係法令の周知を徹底するとともに、特別条項において限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めていないなどの不適正な時間外労働協定が届け出られた場合には、「時間外労働の限度に関する基準」等に基づき指導を行う。
 特に労働局及び監督署における監督担当部署、安全衛生担当部署及び労災補償担当部署間の連携を図り、各種情報から時間外・休日労働時間数が 1 か月当たり 80 時間を超えていると考えられる事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等に対して、引き続き監督指導を徹底する。
 また、社会的に影響力が大きい企業が、違法な長時間労働等を繰り返しているような場合には、本社管轄監督署長による全社的な是正指導を行う。違法な長時間労働等の程度が重大な場合あるいは本社管轄監督署長の是正指導に従わない場合には、労働局長による是正指導を行うとともに企業名を公表する。
 さらに、11 月を「過重労働解消キャンペーン期間」として、長時間労働の抑制等過重労働解消に向けた集中的な周知・啓発等の取組を行う。

(イ)労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインの周知・徹底

 リーフレット等を活用し、あらゆる機会を通じて「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を周知する。

(ウ)過労死等防止対策の推進

 過労死等の防止のための対策については、過労死等防止対策推進法 に基づき定めた「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に沿って、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援等の対策を効果的に推進する。また、過労死等防止啓発月間(11 月)における取組を始め、啓発等の実施に当たっては、地方公共団体と積極的な協力・連携を図る。

(エ)司法処分等の取組強化

 労働基準関係法令違反が繰り返し認められるなど重大・悪質な事案に対しては、司法処分を含めて厳正に対処する。特に、過重労働等の撲滅に向けた対策推進のため、平成 27 年度に設置した過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)による、重大又は悪質な過労死発生事案等の過重労働事案に対する司法処分への取組を強化する。

  一般労働条件の確保・改善対策の推進

(ア)法定労働条件の履行確保

 働き方や雇用される事業場の規模にかかわらず、労働者は労働基準法等で定める労働条件が確保されなければならないことから、労働条件の書面による明示の徹底及び就業規則の作成・届出、記載内容の適正化や労働者に対する周知など、基本的な労働条件の枠組み及びこれらに関する管理体制を適正に確立させ、定着を図るための対策を推進する。特に、有期契約労働については、労働契約締結時の「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項 」の明示、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に基づく雇止めの予告等について周知徹底を図る。
 また、大量整理解雇、大型倒産等の情報の把握に努めるなど企業活動の動向を注視し、労働基準法等で定める法定労働条件の履行確保上の問題が懸念される事案等については、監督指導を行う。

(イ)賃金不払残業の防止

 適正な労働時間管理を徹底し、賃金不払残業を発生させないよう、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の遵守を重点とした監督指導等を実施するとともに、「賃金不払残業総合対策要綱」に基づき総合的な対策を推進する。 また、重大又は悪質な事案に対しては、司法処分を含め厳正に対処する。

(ウ)若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組

 平日の夜間・土日に無料で相談を受け付ける「労働条件相談ほっとライン」、労働条件に関する情報発信を行うポータルサイト「確かめよう労働条件」や大学生・高校生等を対象とした労働条件セミナーについて、周知を図るとともに、「労働条件相談ほっ
とライン」等で受け付けた相談や情報については、事案の内容に応じて監督指導等を実施するなど、若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対して必要な対応を行う。

以上、主な運営方針をご紹介しました。

企業の皆様におかれましては、自主点検を行い、法令違反があるようなことがあれば、速やかに是正されることを望みます。

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平成29年度中小企業向け税制改正について

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中小企業経営強化税制の創設

制度概要:中小企業者が中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力工場計画に基づき一定の設備を新規取得し、指定事業の用に供した場合、即時償却または税額控除(取得金額の10%)を選択適用することができます。

【適用期間:平成30年度末まで】事業の用に直接供される設備(生産等設備)が対象。例えば事務用器具備品、本店、寄宿舎等に係る建物附属設備等は対象外。対象設備は下記のとおりです。

生産性向上設備(A A 類型)
機械・装置(160万円以上)

測定工具及び検査工具(30万円以上)
器具・備品(30万円以上)
(試験・測定機器、冷凍陳列棚など)
建物附属設備(60万円以上)
(ボイラー、LED照明、空調など)
ソフトウェア(70万円以上)
(情報を収集・分析・指示する機能)


収益力強化設備(B B 類型)
機械・装置(160万円以上)
工具(30万円以上)
器具備品(30万円以上)
建物附属設備(60万円以上)
ソフトウエア(70万円以上)


固定資産税の特例

制度概要:中小企業者が中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力工場計画に基づき一定の設備を新規取得した場合、固定資産税が3年間にわたって2分の1に軽減されます。

【適用期間:平成30年度末まで】

機械・装置(160万円以上)
測定工具及び検査工具(30万円以上)
器具・備品(30万円以上)
(冷蔵庫陳列棚、ルームエアコン、業務用冷蔵庫、セルフレジなど)・・・今年度新たに追加されたもの

建物附属設備(60万円以上)
(空調設備など)・・・今年度新たに追加されたもの

*今年度新たに追加されたものについては、対象地域・対象業種が一部限定されます。業種が限定される地域は、最低賃金が全国平均以上の7都府県となります。ただし、全国平均以上の地域であっても、労働生産性が全国平均未満の業種については、特例の対象となっています。

 

 中小企業経営強化法の認定がなくても活用できる税制

中小企業投資促進税制

【適用期間:平成30年度末まで】

制度概要:中小企業者が、機械装置等を導入した場合に、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除が選択できます。


商業・サービス業・農林水産業活性化税制

【適用期間:平成30年度末まで】

制度概要:商業・サービス業等を営む中小企業者が、経営改善に資する器具備品や建物付属設備を導入した場合に、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除が選択できます。

以上。

 


 

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2017年4月事務所だより

20170413

 2017413日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/4月号 ■
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【今号の内容】

平成29年度雇用関係助成金のご案内

産業医制度等に係る見直しを行います(労働安全衛生規則改正)

 

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平成29年度雇用関係助成金のご案内

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 4月号では、平成29年度よりキャリアアップ助成金等で、生産性向上の有無により、助成金の金額が増額されることをご紹介しました。生産性向上要件を満たすと、1人あたり、15万円が増額されます。

 平成29年度の予算が成立したのに伴って、厚生労働省等より「平成29年度雇用関係助成金のご案内」が発行されました。今年度は、利用頻度の少ない助成金は廃止・統合され、国の働き方改革の方針に沿って新たな助成金が増えております。今月  号では、「平成29年度雇用関係助成金のご案内」を下記URLよりダウンロードして貴社に合った助成金を探してみてください。

                       

                       

 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000159988.pdf

 

  助成金について興味がある方は、当事務所までご連絡ください。ご相談させていただきます。

 

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産業制度等の見直しについて(労働安全衛生規則等の一部を改正する省令)201761日改正予定

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現 行

現在、労働安全衛生法令では、以下を義務付けている。

  産業医は、少なくとも毎月一回作業場等を巡視し、労働者の健康障害防止のために必要な措置を講ずる。

  事業者は、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、当該労働者の健康保持に必要な措置について、医師等からの意見を聴取する。(労働安全衛生法第66条の4、労働安全衛生規則第51条の2ほか8省令8条文)

  事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超える労働者について、当該労働者からの申出に基づいて医師による面接指導を行う。(労働安全衛生法第66条の8、労働安    全衛生規則第52条の2)

改正の内容

 1. 産業医の定期巡視の頻度の見直し

   少なくとも毎月1回行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、事業者から毎月1回以上産業医に次に掲げる情報が提供されている場合であって、事業者の同意がある場合には、産業医による作業場等  の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。

  1 衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果
  2 1に掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

 2.健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供

   事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととす    る。

 3.長時間労働者に関する情報の産業医への提供 

   事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。

産業医のこれからの役割

 近年は、事業場における労働者の健康確保対策として、過重労働による健康障害の防止、メンタルヘルス対策等も重要となっており、また、嘱託産業医を中心により効率的かつ効果的な職務の実施が求められている中、   これらの対策に関して必要な措置を講じるための情報収集の手段として、職場巡視とそれ以外の手段を組み合わせることも有効と考えられるというところから改正に至ったところです。

 産業医の活動について、情報提供が適切になされることを前提として巡視頻度を下げ、事業主に情報提供を義務付けることで、産業医がより効果的かつ合理的に面接指導等を実施することができるようにするものです。

 企業としては、これを機に、産業医への情報提供等を適切に行うことはもちろんですが、産業医との関わり方やコミュニケーションのあり方を見直す良い機会になるのではないでしょうか。

以上。

 


 

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2017年3月号事務所だより

20170315

2017315日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/3月号 ■
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【今号の内容】

時間外労働の上限規制等に関する労使合意

平成29年度キャリアアップ助成金改正について

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時間外労働の上限規制等に関する労使合意

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3月13日、経団連と連合は、時間外労働の上限規制等に関して下記のとおり合意に達しました。

以下は、経団連のホームページに公開されているものです。基本的にこの合意を基に労働基準法が改正される見込みです。

                

2017年3月13日

日本経済団体連合会と日本労働組合総連合会は、働き方改革を強力に推し進め、長時間労働に依存した企業文化や職場風土の抜本的な見直しを図ることで、過労死・過労自殺ゼロの実現と、女性や若者、高齢者など多様な人材が活躍できる社会の構築に不退転の決意で取り組む。

両団体は、罰則付きの時間外労働の上限規制導入という、労働基準法70年の歴史の中で特筆すべき大改革に合意した。その際、労働組合に属さない労働者の保護や中小・零細企業の対応可能性なども考慮した。

政府には、働き方改革実現会議が近く取りまとめる実行計画に、下記の合意内容を盛り込むことを要望する。

なお、労働基準法は、労働者が人たるに値する生活を充たすうえでの最低基準を定めたものであり、労使はその向上を図るよう努めるべきとされている。特別の事情により「特別条項」を適用する場合でも、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月45時間、年360時間の原則的上限に近づける努力が重要である。

個別企業労使には、このことをしっかり確認し合いながら、自社の事情に即した時間外労働の削減に不断の努力を求めたい。

                              記

1.上限規制

時間外労働の上限規制は、月45時間、年360時間とする。ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、

  1. 年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内とする
  2. 休日労働を含んで、2ヵ月ないし6ヵ月平均は80時間(*)以内とする
  3. 休日労働を含んで、単月は100時間を基準値とする
  4. 45時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする

以上を労働基準法に明記する。これらの上限規制は、罰則付きで実効性を担保する。

さらに、現行省令で定める36協定の必須記載事項として、月45時間を超えて時間外労働した者に対する健康・福祉確保措置内容を追加するとともに、特別条項付36協定を締結する際の様式等を定める指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を盛り込む。

()2ヵ月ないし6ヵ月平均80時間以内とは、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月のいずれにおいても月平均80時間を超えないことを意味する。

2.勤務間インターバル制度

終業から始業までに一定時間の休息時間を設ける、勤務間インターバル制度を労働時間等設定改善法及び同指針に盛り込む。また、制度の普及促進に向けて、労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。

3.過労死等を防止するための対策

過労死等防止対策推進法に基づく大綱を見直す際、メンタルヘルス対策等の新たな政府目標を掲げることを検討する。職場のパワーハラスメント防止に向けて、労使関係者を交えた場で対策の検討を行う。

以上

一般社団法人日本経済団体連合会
会長 榊原 定征

日本労働組合総連合会
会長 神津 里季生



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平成29年度キャリアアップ助成金改正について

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 キャリアアップ助成金(人材育成コースを除く。)について、平成29年度より生産性向上要件が導入される予定です。生産性要件の計算方法は、別紙を添付しますが、向上している企業とそうでない企業との差が大きく出ることになります。生産性が向上していない企業は、助成金の金額が減ることになります。以下、キャリアアップ助成金について、概略を見ていきますが、詳細は、4月以降に厚生労働省から発表されますので、その時点で新しい助成金制度も含めて、改めて詳しく紹介いたします。

(1)助成金の整理統合
・ キャリアアップ助成金内に以下のとおりコースを設定
・ 正社員化コース助成金
・ 賃金規定等改定コース助成金
・ 健康診断制度コース助成金
・ 賃金規定等共通化コース助成金
・ 諸手当制度共通化コース助成金(新設)
・ 短時間労働者労働時間延長コース助成金
・ 選択的適用拡大導入時処遇改善コース助成金(新設、平成 31 年度までの暫定措置)

(2) 生産性要件の設定
キャリアアップ助成金の各コースに割増助成の要件として、生産性要件を設定する。
(要件の見直しを含むコースについては(3)にまとめて掲載。)
賃金規定等改定コース助成金

 省略

健康診断制度コース助成金の見直し
生産性要件の設定に伴い、支給額を以下のとおりとする。
1事業所当たり 38 万円〈48 万円〉(28.5 万円〈36 万円〉)
()内は中小企業事業主以外の事業主の場合
〈〉内は生産性の向上が認められる場合の額

賃金規定等共通化コース助成金の見直し
生産性要件の設定に伴い、支給額を以下のとおりとする。
1事業所当たり 57 万円〈72 万円〉(42.75 万円〈54 万円〉)
()内は中小企業事業主以外の事業主の場合の額
〈〉内は生産性の向上が認められる場合の額

以下省略

(3) 各コースの改正概要
正社員化コース助成金の見直し
・ 割増助成の要件として、生産性要件を設定する。
・ 従来の「正規雇用労働者」に多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正
社員及び短時間正社員)を含めることとし、多様な正社員への転換等の区分を
廃止する。
《支給額》
ア 有期正規: 1 人当たり 57 万円〈72 万円〉(42.75 万円〈54 万円〉)
イ 有期無期: 1 人当たり 28.5 万円〈36 万円〉(21.375 万円〈27 万円〉)
ウ 無期正規: 1 人当たり 28.5 万円〈36 万円〉(21.375 万円〈27 万円〉)
派遣労働者を正規雇用で直接雇用する場合、
ア、ウ:1 人当たり 28.5 万円〈36 万円〉(中小企業事業主以外も同額)加算
母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、若者認定事業主における 35 歳未満の
者の場合、
ア:1人当たり 9.5 万円〈12 万円〉(中小企業事業主以外も同額)、
イ、ウ:1人当たり 4.75 万円〈6 万円〉(中小企業事業主以外も同額)加算
勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合、
ア、ウ:1事業所当たり 9.5 万円〈12 万円〉(7.125 万円〈9 万円〉)加算
多様な正社員から従来の「正規雇用労働者」に転換する場合の区分は、廃止す
る。
()内は中小企業事業主以外の事業主の場合の額
〈〉内は生産性の向上が認められる場合の額

以下省略。

以上。


 

 この際、「社会保険・労働保険・給与計算・年末調整・マイナンバー」の事務・コンサルティングは、新保社会保険労務士事務所に任せませんか?

 

 

 

2017年2月事務所だより

20170211

 2017211日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/2月号 ■
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【今号の内容】

労働時間の適正把握のために講ずべき措置の新ガイドラインを策定

「安全衛生」活動に積極的に参加しましょう

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労働時間の適正把握のために講ずべき措置の新ガイドラインを策定

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労働時間の適正把握のために講ずべき措置の新ガイドラインを策定

厚生労働省は、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を新たに策定し公表しました。この新ガイドラインは、昨年1226日に長時間労働削減推進本部が決定した「過労死ゼロ」緊急対策で 示された違法な長時間労働に対する監督指導強化の方針を受けたもので、従来の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平13.4.6 基発339)に代わる位置づけとなります。従来の基準を拡充する形で構成されている新ガイドラインでは、まず適正に把握すべき「労働時間」の考え方を明示。使用者の明示または黙示の指示により業務に従事する時間という定義の下、通常の業務中に加えて、

業務に必要な準備行為や業務に関連した後始末を事業場内で行った時間、

指示により即時に業務に従事するため、労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間(手待ち時間)、業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、指示により業務に必要な学習を行った時間、など含めるべき範囲をあらためて明示しています。

 適正把握のため講ずべき措置では、始終業時刻を確認・記録する方法の例として、これまでのタイムカード、ICカードに加えて「パソコンの使用時間」の記録を追加。

こうした原則的な方法によらず、自己申告制で確認・記録を行う場合に講ずべき措置として次のような内容を新たに加えています。

 ・実際の労働時間を管理する者に、自己申告制の適正な運用を含めて、ガイドラインに従って講ずべき措置を十分説明すること

 ・入退場記録やパソコンの使用時間の記録などと自己申告による時間との間に著しいかい離がある場合は実態調査を行い、所要の補正をすること

 ・自己申告時間を超えて事業場内にいる時間について労働者にその理由などを報告させる場合は、その報告が適正に行われているか確認をすること

 ・36協定により延長可能な時間を実態として超えて働いているにも関わらず、記録上は協定を守っているようにすることが慣習的に行われていないかを確認すること

 以下、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を詳細に見てゆきます。

 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

1 趣旨

労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有している。

しかしながら、現状をみると、労働時間の把握に係る自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの。以下同じ。)の不適正な運用等に伴い、同法に違反する過重な長時間労働や割増賃金の未払いといった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられるところである。

このため、本ガイドラインでは、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を具体的に明らかにする。

2 適用の範囲

本ガイドラインの対象事業場は、労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場であること。また、本ガイドラインに基づき使用者(使用者から労働時間を管理する権限の委譲を受けた者を含む。以下同じ。)が労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者は、労働基準法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除く全ての者であること。

なお、本ガイドラインが適用されない労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があること。

3 労働時間の考え方

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならないこと。

ただし、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱うこと。

なお、労働時間に該当するか否かは、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんによらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであること。また、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断されるものであること。

ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

イ 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)

ウ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

4 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

(1)始業・終業時刻の確認及び記録

使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。

 (2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。

ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。

イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。

(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置

上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること。

ア自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

イ実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。

ウ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録  など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。

エ 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。

その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと。

オ自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定(いわゆる 36 協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。

(4)賃金台帳の適正な調製

使用者は、労働基準法第 108 条及び同法施行規則第 54 条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと。また、賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合は、同法第 120 条に基づき、30 万円以下の罰金に処されること。

 (5)労働時間の記録に関する書類の保存

使用者は、労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第 109 条に基づき、3年間保存しなければならないこと。

 (6)労働時間を管理する者の職務

事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること。

 (7)労働時間等設定改善委員会等の活用

使用者は、事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間等設定改善委員会等の労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと。

 以上。

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「安全衛生」活動に積極的に参加しましょう

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(1)労働災害防止のために

 労働災害の発生件数は、事業者をはじめとする関係者の熱心な取り組みにより、年々減少傾向にありますが、今なお全国で50万人もが被災しています。特に、従業員数50人未満の小規模事業場では、大規模事業場に比べて労働災害の発生率が高くなっています。

小規模事業場では、災害防止対策を実施する上で人材、費用などが課題になる一方、全員が一体となって取り組むことが容易にできます。従業員が安全で健康的に働けるよう、工夫をしながら、対策を進めてください。

 安全な作業を定着させるためには、全員が災害防止の活動に取り組み、危険に対する認識、安全意識を高めることが重要です。

自主的な活動例を紹介します。

  ヒヤリ・ハット活動

作業中にヒヤリとした、ハッとしたが幸い災害にはならなかったという事例を報告・提案する制度を設け、災害が発生する前に対策を打とうというのがヒヤリ・ハット活動です。

  危険予知活動(KY活動)

危険予知活動は、作業前に現場や作業に潜む危険要因とそれにより発生する災害について話し合い、作業者の危険に対する意識を高めて災害を防止しようというものです。作業の状況を描いたイラストシートなどを用いて行う方法などがあります。

  安全当番制度

職場の安全パトロール員や安全ミーティングの進行役を、当番制で全従業員に担当させる制度です。従業員の安全意識を高めるのに有効な方法です。以上のほか、 安全提案制度、4S(整理、整頓、清潔、清掃)活動、職場安全ミーティングなどさまざま工夫がされています。 事業場の実態に即して、ふさわしい活動に取り組みましょう。

 (ヒヤリ・ハット事例)

ヒヤリ・ハットの状況

商品の仕分け作業庫で商品を運搬中、床が散水により濡れていたため、転びそうになった。

対策

床面に散水したときは、すぐに拭き取る。

商品を運ぶときは台車を使用する。

  作業の状況

脚立を使って窓ふきを行っています。どのような危険が潜んでいるでしょうか?

脚立から離れた窓を拭こうと身を乗り出した際に脚立がぐらついてよろけて落ちる。

脚立から下りる際に、地面に置いてあるバケツに足を引っかけて転ぶ。

 

リスクアセスメントに基づく取り組み

リスクアセスメントとは、作業に伴う危険性または有害性を見つけ出し、これを除去、低減するための手法です。リスクとは負傷または疾病の重篤度と発生の可能性を組み合わせたもののことです。リスクアセスメントに基づき対策を行うことにより、確実に、効果的に災害を防止できます。

 リスクアセスメントの実施に当たっては、添付の表をご活用ください。

 また、下記の厚労省「職場の安全サイト」からリスクアセスメントの実施支援システムで各業種のリスクアセスメントを実施することができますので、活用してみてください。

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/risk/risk_index.html

 以上。

 


 

 この際、「社会保険・労働保険・給与計算・年末調整・マイナンバー」の事務・コンサルティングは、新保社会保険労務士事務所に任せませんか?

 

 

 

 

2017年1月事務所だより

20170113

2017111日発行】
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        ■ 人事労務マガジン/1月号 ■
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【今号の内容】

 

育児介護休業法に関しては、更なる改正が予定されています

 

個人型DCの加入者の範囲が拡大します



「過労死等ゼロ」緊急対策について

 

 

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育児介護休業法に関しては、更なる改正が予定されています

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 育児介護休業法に関しては、1月に改正が行われたばかりですが、更なる改正が予定されています。労働政策審議会は、201715日に諮問された「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、16日、おおむね妥当と認めた上で、塩崎恭久厚生労働大臣に答申しました。

 その内容は以下の3点となっています。

 

育児休業の改正
 労働者は、その養育する16か月から2歳に達するまでの子について、次のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができるものとすること。
(1)
当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の16か月に達する日(以下「16か月到達日」という。)において育児休業をしている場合
(2)
当該子の16か月到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合

 

育児休業等に関する定めの周知等の措置の改正
 育児休業等に関する定めの周知等の措置には、労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し周知させるための措置を含むものとすること。

 

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置の改正
 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第39条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置を講ずるよう努めなければならないものとすること

 なんといっても の育児休業の2歳までの延長が最大の目玉となります。厚生労働省はこの答申を受け、次期通常国会に法律案を提出し、2017101日に施行となる予定となっています



さらに、通常国会には育児休業期間を最長2年とする改正案も提出される見通しですが、育児休業給付についても給付期間を最長2年とし、支給率を休業開始から半年は賃金の67%、半年経過後は50%とすることも盛り込まれています。

 

 

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個人型DC(個人型確定拠出年金)の加入者の範囲が拡大します

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 平成291月から個人型DCの加入者の範囲が拡大し、基本的にすべての方が加入できるようになります。

 

 個人型DCの加入者は、これまで自営業者の方などに限られていましたが、平成291月からは、企業年金を実施している企業にお勤めの方や公務員、専業主婦の方を含め、基本的にすべての方が加入できるようになります。

 

 確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度です。

 

 掛金を企業が拠出する企業型年金と加入者自身が拠出する個人型年金(iDeCo)があります。

 

 厚生年金基金や確定給付企業年金等の企業年金制度等は、給付額が約束されるという特徴がありますが、従来、以下のような問題点が指摘されていたことから、平成1310月に公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として確定拠出年金が導入されました。

 

  (1)現行の企業年金制度は中小零細企業や自営業者に十分普及していない。

  (2)離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されておらず、労働移動への対応が困難。

 

  参考リンク:厚生労働省「平成29年1月から、個人型DCの加入者の範囲が拡大します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/

 

 

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「過労死等ゼロ」緊急対策について

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厚生労働省の過重労働緊急対策ですが、その資料が公開されました。その全体像は以下のようになっています。資料を添付致します。

 

違法な長時間労働を許さない取組の強化

 

(1)新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底
・企業向けに新たなガイドラインを定め、労働時間の適正把握を徹底する。

 

(2)長時間労働等に係る企業本社に対する指導
・違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対して、全社的な是正指導を行う。

 

(3)是正指導段階での企業名公表制度の強化
・過労死等事案も要件に含めるとともに、一定要件を満たす事業場が2事業場生じた場合も公表の対象とするなど対象を拡大する。

 

(4)36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底

 

 

メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化

 

(1)メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導
・複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対して、パワハラ対策も含め個別指導を行う。

 

(2)パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底
・メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等も含め指導を行う。

 

(3)ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底
・長時間労働者に関する情報等の産業医への提供を義務付ける。

 

社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化

 

(1)事業主団体に対する労働時間の適正把握等について緊急要請

 

(2)労働者に対する相談窓口の充実
・労働者から、夜間・休日に相談を受け付ける「労働条件相談ほっとライン」の開設日を増加し、毎日開設するなど相談窓口を充実させる。

 

(3)労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載

 

 

もっとも影響が大きいと思われるのが「新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底」です。ここでは、以下の内容を含む、労働時間の適正把握のためのガイドラインを新たに定め、平成29年より実施するとされています。

 

労働者の「実労働時間」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うこと
「使用者の明示または黙示の指示により自己啓発等の学習や研修受講をしていた時間」は労働時間として取り扱わなければならないこと等を明確化する。

 


 

 この際、「社会保険・労働保険・給与計算・年末調整・マイナンバー」の事務・コンサルティングは、新保社会保険労務士事務所に任せませんか?